日本の人口動向と不動産マーケットのいま

日本の不動産市場を語るうえで、もはや避けて通れないのが「人口減少」と「都市への一極集中」。
2025年現在、日本の総人口はおよそ1億2320万人。前年よりも約59万人減少し、この流れは今後も続くと見られています。

しかし一方で、全国の不動産市場が冷え込んでいるわけではありません。むしろ都市部では地価が堅調に上昇し、マンション価格は過去最高水準を維持しています。

都心は上昇、地方は横ばい──二極化が進む市場

国土交通省が公表した地価公示を見ると、東京都心や横浜、大阪、名古屋といった主要都市では、住宅・商業地ともに上昇傾向が続いています。
背景には、企業の拠点集中、再開発による利便性の向上、そして投資マネーの流入があります。

特に駅近や都心のマンションは、価格が下がらないどころかむしろ上がっている状況です。これは、建築コストの上昇や新築着工数の減少も関係しています。供給が減る一方で、需要が依然として強い──そんな「限定市場」的な動きを見せています。

地方で広がる課題と、新たなチャンス

一方で、地方の不動産は少子高齢化の影響を大きく受けています。
人口が減れば住宅需要も減り、賃料や地価もゆるやかに下がっていきます。
空き家率は全国平均で約14%(総務省調査)を超え、地域によっては20%を超えるケースも。

ただ、これを「マイナス」と見るか「転換のチャンス」と見るかは考え方次第です。
たとえば、古民家を活用した宿泊施設や、テレワーク対応のリノベーション物件など、既存資産の再生ビジネスが各地で増えています。
人の流れは減っても、「訪れる人」「滞在する人」をターゲットにした不動産運用は、今後の地方再生の鍵になるかもしれません。

建設コスト上昇と新築減少の現実

国土交通省の「建築着工統計」を見ると、新築住宅の着工数は前年を下回るペースで推移しています。
建設資材の高騰や職人不足が影響し、新築よりもリノベーションや買取再販に注目が集まる時代になってきました。

住宅需要の中心は「新しいもの」から「より良く再生されたもの」へ。
これまで“中古”と呼ばれていた市場が、いま“再生不動産”として見直されているのです。

これからの不動産は「立地」と「再生力」

こうして見ると、日本の不動産市場は単純な上昇・下降の話ではなく、立地と発想の差が結果を分ける時代に入っています。
同じ県内でも、駅近・商業圏・教育圏にある物件は価値を保ち、周辺エリアは価格調整が進むという傾向が顕著です。

そして、人口減少の中でも「暮らし方」は多様化しています。
共働き世帯、単身高齢者、リモートワーカーなど、それぞれに合った住まい方が求められるようになりました。
不動産の役割も、「資産」から「ライフスタイルの器」へと変わりつつあります。

減少の中にこそ、再生のチャンスがある

人口減少や金利変動、資材高騰など、不動産を取り巻く環境は確かに厳しくなっています。
けれども、こうした時代こそ、目の前の建物や地域に新しい価値を見出す力が試されているのではないでしょうか。

「減る」時代にこそ、「生かす」発想を。
それが、これからの不動産経営・投資・まちづくりの核心になると、リエラエステートは考えています。
(参考:国土交通省 地価公示・不動産価格指数・建築着工統計、総務省 人口推計)

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